「いないいないばぁ」

井上 にいな(いのうえ・にいな)

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「かき氷」

井上 にいな(いのうえ・にいな)

カラフルな色使いで描く彼女の作品。大好きな食べ物、テレビ番組、キャラクター、お友達の名前をよく描いています。色鉛筆の並んだ順に色を選んで力強く描きます。「◯◯あじのかきごおりだね」と、時々そんな味あるの?と思うこともありますが、色のイメージから味を想定しているようです。
絵を描いているときは本当に楽しそうで、見ている私たちも微笑ましく、温かい気持ちになります。大好きなことが増えていくと、描く物が変わっていくのかな。それも楽しみに彼女の作品を見守っている今日この頃です。(文・井上清香)


平成19年(2007年)8月13日生まれ。佐賀県佐賀市で生まれ育つ。

生後なかなか首が座らず発達遅滞の診断を受けていたが、3歳の頃に整枝学園で知的障害・自閉症と診断され、6歳まで作業療法や言語療法でのリハビリを受ける。現在は佐賀大学教育学部附属特別支援学校中学部に在籍。

趣味は絵や写真、カタログやフリーペーパー等を見ることで、母のスマホの写真フォルダを流し見することもその趣味のうちの一つである。次々にスワイプしていき、好きな写真を見つける度にテンションが上がり小躍りする。

文字を書けるようになった6歳頃から、本人が黙々と取り組むことができる暇つぶしとして、メモ帳や鉛筆を与えられるようになる。画材を渡されると、好きな教育番組のタイトルやアニメのキャラクター名、そのときハマっているもの等を力いっぱい描き始め、気が済むまでほぼ同じ題材で紙を埋めつくしていく。色鉛筆があると、沢山の色を順番に取って使用していき、カラフルな絵ができあがる。ジュースやかき氷を描いているときは、色を持ちかえる度に「バナナジュース。」「リンゴジュースね。」と呟きながら制作する。

某女児向けアニメのキャラクター名を書き連ねるシリーズでは、最初は公式に存在する歴代キャラクターの名前を「キュア○○」「キュア○○」書いていたのが、小学6年生頃からだんだんと「キュアりなちゃん」「キュアおべんとう」「キュアおやつかわない」といった独自のアレンジが加わっていく。

1時間以上創作に専念することができるが、手が疲れたのか、関心が移ったのか、あるタイミングでパッと手を止め、「…ベルメゾンのチラシ読んでいいですか?」「絵本を読みます。」と次にやりたいことを母に報告・相談し、創作を終える。また、創作のあとは、鉛筆やスケッチブックをきっちり所定の場所に戻し、時間をかけてやっと次の対象にありつく。どんなに急いでいても、片付けまでしっかりすることが彼女にとって大事なのである。