秀島 康平(ひでしま・こうへい)
彼には日課がある。新聞や紙を切り、文字を書いてテープを貼る。ものによっては新聞を連結させて冊子にしているものもある。自分のルールを変える事に苦手さのある彼はこれをとんでもない量こなしていく。書いてある文字の内容はDVDや本などのタイトル、その他解読できないものなど、殴り書きの日々の記録のようなものが記されている。
グループホームの彼の部屋は、足の踏み場も無いほど新聞やテープで埋め尽くされている。自宅の部屋にはもっとたくさんの作品が眠っている。他の人がほとんど触ることが出来ないものなので展示会に出すのは初の試みである。
自分でルールを決めてしまう彼の行き場のない「こだわり」は日々の熱心な表現であり、作品である。
文・大田和樹(社会福祉法人はる)