松尾 一輝(まつお・かずき)
一輝さんは、グループホームから雨の日も寒い日も毎日休むことなく歩いて通われている元気な20 代。普段は、空き缶リサイクル作業に励まれていて、作業の合間に創作活動内でミサンガを作ったり、ピースが多いパズルに挑戦しています。一輝さんの得意なことのひとつに、職員の車輌ナンバーやカレンダーの日付などを全て憶えているという特技があります。そんな一輝さんのマイブームがパソコンで、グループホームではノートパソコンを買って自分が好きな動画をみて楽しまれています。今回の作品は、一輝さんのマイブームである“ 今” を表現していて、ご本人の想いが表れているようです。(文・原田健)
平成6年(1994年)9月14日に佐賀県で生まれる。
大和特別支援学校を卒業後、現在は佐賀市のグループホームに入居している。
平日の日中は「社会福祉法人聖母の騎士会障害者支援施設いとし子の家」に通い、空き缶のリサイクルの作業などに取り組む他、天候の悪い時などには室内での作業を行っている。
きっちりした性格で、「日曜日は10時に掃除」など決まったリズムを持って生活することを好む。クリスマス会や餅つき会など恒例のイベントごとは特に楽しみにしており、イベントの日が近づくと、ことあるごとにスタッフに「クリスマス会は?」と、会があるかどうかを確認するという。
手先が器用、かつ記憶力もよく、特に細かい作業を得意としている。スタッフから作業内容を教えられると即座にそれを修得し、いちど覚えたらその後は工程通りにきっちりと取り組むことができる。なお、作業ではミサンガなどの製作に取り組んでいる。製作したミサンガは、販売などは行わず、たまに来客があったときなどのプレゼントとなる。
仕事のあとはグループホームに戻り、余暇はテレビを観たり、自室のパソコンでYouTubeでの動画鑑賞に没頭する。YouTubeでは天気予報や札幌の時計台、さまざまな時計の動画などを自分で検索してほぼ毎日鑑賞している。特技として、1980年頃から現在までのカレンダーを克明に記憶しており、「1989年7月22日は?」とテキトーに聞くと「土曜日です。」と即座に答えることができる。
本人は、絵を描くことは特別好んでおらず、日常的に絵画活動に取り組んでいるわけでもないが、描くこと自体には苦手意識はなく、紙とペンを渡されればパソコンや果物、顔など自分でモチーフや色を考えて、独特の軽いタッチで自由に描いていく。