西村 明日香(にしむら・あすか)
明日香さんがこの『がばいアーティストたち』へ参加するようになって、今回で3回目になりました。絵はとても可愛らしく幼さもありますが、温かみのある作品が多いです。たまにアニメ等のキャラクターを描いていたり、お母さんと一緒に好きな絵を観に行ったり、ワークショップへ参加する事もあるようです。彼女も、中学生となりました。今後も、好きな絵を描くことで社会へとつながり、彼女が将来明るく、幸せになる手段となってくれる事が1番の願いです。(文・江口博子)
平成19年12月10日生まれ。ペンを主に画材で使用していて、色鮮やかかつまるで絵本の世界から飛び出してきたかのような繊細なタッチの世界観が作品に描かれている。そんな色鮮やかさとは反対に彼女の趣味嗜好はどちらかというと、男性よりの中性的である。好きなアニメは「鬼滅の刃」「遊戯王」のようなバトル作品。普段の服装も女の子という感じはあまりせず、スカートやフリルや花柄は苦手だそうだ。スポーティな服装が好み。
画材でペンを使用しているのは、絵の具だと不快感が生じてしまって描きづらいからだそうだ。混ぜるときもちわるい、と本人は言っておりおそらく多少頭を使って描かなければいけないものより単純なものを使って描くのが得意なのかと思われる。なので、ずっとペンを使って作品制作をしている。たまにクレヨンや色鉛筆を使用して制作することがある。
紙の大きさは視界に収まる程度の大きすぎないぐらいがいいらしい。大きすぎて視界からはみ出ると、そのはみ出た部分の処理の仕方がわからなくなって混乱するそうだ。作品のモチーフは主に風景画で、過去作品には星空や猫がたくさんいる様子が描かれているものがある。猫の色も暗い色ではなくて、現実では見ないような赤色や緑色など、少しファンタジーを感じるような鮮やかな明るい色を使用して描かれていた。
絵を描き始めたきっかけは絵を描くのが好きな母親の影響で、SMAARTと呼ばれるアートイベントにも足を運んでいた。そこで自由に入って参加者の方とお話をしたり絵を描いたりしたことが、とても楽しかったそうだ。そんな西村さんの姿と彼女の素敵な作品に感銘を受けた江口博子さんは気軽に絵を描ける場所を立ち上げようと白石町にカラフル図工室と呼ばれるボランティアのアート教室を2019年12月に開始した。月に1回開催しており、時間は大体2時間程度である。
西村さんは展覧会の出品には前向きな姿勢を示しており、以前とある小さな展覧会にも出品していた。また、自身の作品の商品化にも興味を示しており、いつか彼女の絵が使用されたデザインバッグやタオルなどが見れる日が来てほしい。
文・立岡孝子