「がばいザウルス」

山口 寛仁(やまぐち・ひろと)

迷いなく筆ペンを力強く大胆に走らせるその姿、なんというパワフルさ。彼の描く恐竜やライオンやサメ、たくましく描かれた彼自身は、彼の憧れである“ 強さ” が思い切りよく表現されている。
作品だけではない、彼自身もまた強さに溢れる少年。そして強さの中に垣間見える優しさ、底なしの明るさ。彼のエネルギッシュな人間性はきっとひとを笑顔にさせる力を秘めている。希望に満ち溢れた彼は今日も夢を描く。(文・川内七海)


2004年生まれ 佐賀県佐賀市

彼が憧れているもの、それは“強さ”。恐竜やライオン、トラやサメ、彼が生み出す「強者」たちは今にも吼えかかってきそうな勢いだ。しかしながら、アーティスト“山口寛仁”は彼らに負けないくらいのパワフルなエネルギーを放っている。スラスラと筆ペンを大胆に走らせる。ときに繊細に。彼には迷いがない。まさに獲物を正確に仕留める肉食動物のよう。

印象的だったのは、彼が時折魅せてくれるマッスルポーズ。彼を語るのに欠かせないのが“筋肉”だ。憧れの強さを得るには、鍛錬は欠かせない。時にはダンベルを持ち、時にはキャンプ、釣りをしに外へ出かける。筋トレの歌を口ずさみ、もりもり食べてパワーをつける。本に、ペンを力強く握る彼の腕、それはそれはたくましいものだった。

普段は家族のいるお家と近くの祖父母のお家を行き来する彼。今日は祖父母宅で焼肉をする!と満点の笑みで教えてくれる。絵を描くことはもちろんだが、同じように祖父母のことも大好き。そしていうまでもなく、彼の家族みんなのことも。制作の傍ら、彼は嬉しそうに話してくれる。強さの中にも垣間見える「優しさ」。彼が一番お気に入りだという恐竜「トリケラトプス」を感じさせる。そして気づいてしまったことに、彼の笑顔もまたひとつの強力な武器だ。やられてしまった。弾けるようなスマイルにはきっと誰も勝てやしない。

長い針が一周しないくらいの短い時間に、描きあげたのは力強い3匹の動物。サイン付きの素敵なお土産を、さてどこに飾ろうか。なんだか私もこれからをエネルギッシュに生きれそうな気がしてくる。

彼はいま、自らのアートや才能を活かせる未来を描こうとしている。理想を実現するには、様々な壁が待ち構えているが、あいにく彼はきっと志を貫く“強さ”も持ち合わせていることだろう。私たちは彼の輝く未来を期待しようではありませんか。(文・川内七海)