古澤 侑樹(ふるさわ・ゆき)
2007 年5 月20 日生まれ。13 歳。小さい時から回るものが好きでミニカーのタイヤを回したりしてました。本物の車のタイヤを回しに走ったり…発達障害の恐れがあるとわかったのは2 歳のころで、療育を始め、そこから11 年、同級生やその保護者様、先生方と沢山の方に支えられてきました。恥ずかしがり屋で言葉数は少ないですが、絵を描かせると頭の中にあるイメージをもとに、何も見ないで描いたり。知り合いからも絵を習わせては? と言われることもありました。この子には絵やレゴブロックが1 番の武器となると思い、昨年は卒業記念にYuki 作品展を開催しました。絵画を通して言葉だけでなく自分の気持ちを表現できる子になってくれたらと思います。(文・古澤絵梨)
平成19年(2007年)5月20日に福岡県久留米市で生まれる。現在は佐賀県鳥栖市に住んでおり、中原特別支援学校中学部に在籍中。
2歳の頃に自閉症スペクトラムの診断を受ける。集団行動が苦手なため、集団のルールに左右されない活動として創作活動を始める。普段はカラーペンや色鉛筆を使い、動物や人物、好きなゲーム・アニメ・特撮のキャラクター等を描いている。実物の写生よりも、そのとき頭の中にあるイメージを描き出すことを得意としている。小学2年時の絵画コンクールでは作品「たまごから生まれたよ」で佐賀県準特選を受賞し、周囲を驚かせた。自宅での制作が基本で、大好きなアニメや特撮、YouTubeなどを観ながらリラックスした様子で制作に取り組んでいる。外では寡黙なことが多いが、仲のいい学校の先輩などに対しては、アニメやゲームの話に花を咲かせる姿も見られる。絵画活動の他、レゴブロックを使用した立体造形も幼い頃より継続している。
創作活動における主な支援者である古澤絵梨さん(母)は、「勉強も対人関係も苦手だけど、絵だけは多くの人から褒められる」と考え、本人に自信を持ってもらうための手段として、芸術活動に取り組んできた。幼い頃から絵画教室に通わせはじめ、本人の描いたものをなるべく保存するようにしてきた。2020年3月に鳥栖市のカフェで、ママ友の助けを借りながら初の個展を開催。展示を鑑賞した人の反応やグッズ販売による収益を通して本人に自信を持ってもらおうと、会場では本人が制作した幼い頃から最近までの絵画作品や、レゴブロックによる造形作品を展示した他、絵をトレース・色付けして作成した手作りプラバンの販売を行った。