デザイナーとの協働を通して、
障がいのある方の“表現”を活かしたグッズ制作の過程を学びます
【参加団体】 fuco:(佐賀市)/にじいろラボ(鹿嶋市)/フレンドハウス(唐津市)
【デザイナー】伊藤友紀氏(HONOTA design)
【期間】平成30年12月〜平成31年2月
インターネットサービス等の普及により “ モノ ” にすることのハードルは年々低くなってきています。
だからこそ、障がいのある方の “ 表現 ” のグッズ化を通して「何を目指すのか?」という点が大切になります。事業所外部の視点を通すことで、大切なことが見えてくることがあります。デザイナーによるサポートとデザイン費用の助成を行い、出来上がったグッズは、展覧会「がばいアーティストたち」にて展示・販売を行いました。
前回の報告で示した全3回のグッズ化のセミナーが終了した12 月にサポートをスタート、2 月下旬の展覧会での販売機会が一つの区切りとなります。 短期間の構成ということで、今回は考え方の整理、何のためにやるのか?を掘り下げて商品化すると、どんな物ができあがるのか。グッズ化における一連の流れを体験し、次年度、より時間をかけて取り組むためのきっかけとします。現地訪問、ヒアリング、ミーティングを重ねながら、事業所の中や福祉の価値観で完結していた思考を伊藤さんが紐解いていきます。 見た目やデザインが判断基準であった事業所としては、より深く支援や事業所を掘り下げられ、視点の転換や、言語化を行なっていきます。「福祉バザーでしか売れない」「制作の全行程を事業所内で行う」「売れないから格安で販売する」など個々の問題を、どう発想を変えていけば良いかを学べるヒントとなっています。
「グッズ化サポート」を振り返って
今回、3 つの事業所(うち 1 つは個人の方)のアートをグッズ化するサポートをデザイナーとしてさせていただきました。
デザイナーとして各担当者さんとやりとりしていて感じたのは、まず、それぞれに「デザイナー」
がどんな仕事をする人なのか、の視点が全く違うということでした。ただ制作や作業をする人なのか、コンセプトの部分から一緒に意見をぶつけながら考え、共創していくのか。依頼側の考え方によって、デザイナーとしても、動きや、できることが全く違うということを強く感じました。
おそらく、本気でグッズを販売したり、しっかりとしたブランディングをしていこうとする場合外部デザイナーとの関わり方はとても重要になってくると思います。まず、パートナーとして「共にいいものを作ろう」という姿勢を保つこと。また、デザイナーの役割は、形をきれいに見せるだけではなく、モノの本質・魅力を外部のフラットな視点で取り出して見せることなので、そこを理解して、それぞれの事業所さんが自分たちに合うデザイナーを探し、コミュニケーションを密にとって物作りをしていくことが、成功の鍵になるのではないかと、この事業の中で改めて気づくことができました。最後になりましたが、改めて、グッズ化サポートにチャレンジしてくださった事業所の皆様、SANC のお二人、関わってくださった皆様。たくさんのご協力、本当にありがとうございました。
「グッズ化サポート」監修
伊藤友紀(HONOTA Design)